Always with a SMILE 2023年5月号 / Vol.218を発行しました!

社会福祉法人双葉会 幼保連携こども園
さくらこども園 新築工事設計監理業務


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就育一体 ― くらしと共に

岩手県沿岸部の陸中海岸南部に位置する大槌町は、ワカメや帆立などの養殖漁業が盛んな豊かな海洋資源に恵まれる漁業の町です。2011年3月に発災した東日本大震災では、大きく被災しましたが、震災後12年(2023年5月時点)が経過し、現在は国内外からの多くのご支援により、着実に復興が進められております。設立56年の社会福祉法人双葉会様は、地域住民の皆様と共に、就育一体で復興と、地域保育を通したお子様たちの成長に永らく取り組んでまいりました。この度、既存施設の老朽化に伴う建替え計画が立ち上がり、久慈設計グループが設計監理に参画させていただきました。木の温もりがある、地域の子どもたちに寄り添う新しい園がここに完成いたしました。

自然の温もりのある空間

住宅が多く建ち並ぶ計画地において、屋上に設置した太陽光パネルが施設外観上、周囲の生活感に溶け込む様、また新たな景観が生まれるように設置計画を致しました。屋根には個性的なウロコ状のスレートを用い、外壁には手作業の痕跡が残る塗壁材を採用し、こども園としての温かみを持たせたモダンデザインとしております。
3歳児以上が元気に走り回れる「いきいき園庭」と3歳児未満が安心して遊べる「静かな園庭」の性格の異なる2つの園庭を設け、学齢に応じた遊びの環境を整備しました。施設内部には、アルコーブや読書ベンチなどの小さなたまりの空間や窓の高さをランダムに変え、子どもたちの好奇心をくすぐる設えとしております。また事務室を中心に、各諸室を放射状に配置し、保育士の目が行き届きやすい、自然の光も各部屋にまんべんなく降り注ぐ、暖かで明るい環境を実現いたしました。施設性能としても、0歳児保育室に床暖房を採用し、居室環境に配慮する計画としました。また太陽光パネルからの電力活用に蓄電池を設置し、省エネルギー化にも取り組みをさせていただきました。


正面エントランス

周囲の住宅地に溶け込む園舎

玄関ホール

静かな園庭

陽の光があふれる廊下

保育室

遊戯室

 

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